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Pepper App Challenge 2017 を見に行った

2/8, 2/9と、虎ノ門ヒルズで開催されたPepper World 2017の中で、Pepper App Challenge 2017 というイベントが実施されていて、とても面白かったので忘れないうちにメモ。

※当然のことながら、「内側の人」としての内容ではありません。ただのロボット大好きなおっさんの覚書です。

目次

Pepper App Challenge ってなに?

暮らしやビジネスの形を変える、未来の価値観を変えるようなパワフルなロボアプリ

を広く個人、法人から募集し、書類審査を経た10作品をPepper World内で展示、決勝審査を行うというもの。

去年以前についてはわからないけど、今年のレギュレーションというか要項としては、

  • 小売:自動車、住宅、スーパー・デパート・モール、アパレル・ホームセンター・スポーツ用品、、ドラッグストア・薬局
  • ヘルスケア:病院、介護
  • サービス:金融、飲食・美容、自治体・公共施設・図書館、ホテル、交通
  • 家庭

のカテゴリを選択し、評価基準は、

  • 課題解決:身の回りの課題を解決させていること
  • 革新性:新たな領域、課題、技術にチャレンジしていること
  • 実用性:実現性があり、運用面においても利用継続が可能であること
  • 独創性:ロボットの価値を訴求し、他社と差別化が図れていること

とのこと。ふむふむ。

今年決勝に勝ち残った10作品については、公式サイト参照。

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その他、関連する情報としては、ロボットスタートさんのとこで、授賞式の様子

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もとてもいい感じ。

雑感

会場ウロウロして色々見ていてとてもとても楽しい二日間だった。で、感じたことなどメモ。

ロボットとおしゃべりする未来

Pepperとおしゃべりする、ということに対する重みが結構皆さんの解釈ごとに違っていて興味深かった。

例えば、「ロボカタミ」さんのとこでは、裏側にWatsonがいて音声入力を処理しているんだけど、それはあくまでも入力された音声をテキストデータにするためであって、「Pepperと話す」ために使っているわけではなさそう(紹介動画では会話を匂わせる演出があったけど実装されてたか確認し損ねた)。「バーテンダー for Pepper」さんに至ってはそもそもしゃべらない(寡黙なバーテンさんということか)。

一方で、「スマートロボ受付」さんは、Pepperとお話しする際のお約束である「目と耳が青くクルクルしたらお話してね」をぶち破って「聞こえるものは全部解析してみる」という方向性だったようで、逆に、Pepperと話そうとすると「ピッ」音を待っちゃっている自分(ぶっちゃけよく飼いならされている)に気づいたりした。

 

個人的には、「Pepperとどうおしゃべりするのか」はとても興味がありつつも、そこにあまり重心を置きすぎちゃうとかえってスムースさが失われちゃう部分もあってなかなか難しい領域。やっぱり落とし所としては、Siriさんとかで採用されている「マジックワードが聞こえたらそれ以降のメッセージを積極的に聞こうとする」なのかなぁ。

というか、この部分のことを考えていると、いわゆるカクテルパーティー効果って本当に人間の脳の処理能力のすごさ(端折り方という意味でも)に感心しちゃう。多分、カクテルパーティー効果については、「話を聞こうとしている人の口の動きが見えていてそこと同期している音声を優先的に拾う」処理なんじゃないかなぁという気はするんだけど、それって機械でやるのはやっぱりなかなか難しそう。つうか、私自身は同時に色々な言葉が聞こえてくる中で特定のメッセージを拾うことが苦手なので、この点においてPepperレベル。この能力高い人捕まえて「視覚が閉ざされてても同じことが出来るものなのか」は確認してみたいなぁ。

 

Pepperでないとできないこと

これはどなたかが総括として言っていた中にもあったけど、Pepperソリューションは「で、それiPadじゃダメなの?」という問いに常にさらされる。同時に「それって人がやるよりイイの?」というシビアな判断もされる。これは、「人を雇うよりコストが低いから」というロジックで訴求するのは難しそう。

ロボット好きすぎて特にPepperには超絶思い入れたっぷりな私なんかは、「人がやるよりイイの?」の部分は強く意識してないといかんと思うのだけど、親バカ視点だと、もうPepperが何かできた、というだけで「うっわー、上手にできたねえらいえらい」となってしまうのだけど、当然サービスを受ける側(でそんなにロボット好きではないフツーの人)からしてみたら、別にロボットに何かしてもらうだけで嬉しいわけじゃないし、あんまりロボットの対応がモタモタしてると「いいから話のわかる人間出せやぁ」という状況になっちゃうわけで。

で、その解決としては「キビキビ対応できるようにする」方向性ももちろんアリで、っていうかこちらが正道だと思うのだけど、もう一つの切り口が「多少モタモタしていても許されるくらい『Pepperでないと出来ないこと』をしてくれる」ことだと思っていて、こっちは技術的向上に求められる時間とかおカネ的なコストをそんなにかけなくてもアイデアで勝負できる分、手っ取り早い勝ち目がありそうな気がしてる。まぁ勝ち目って言ったって誰に勝つのよって話ではあるのだけど。

 

前置きが長くなってしまったけど、そんなわけで「Pepperでないと成立しない理由」という視点で、決勝進出された10作品を見てみると、私個人としては「ロボカタミ」さんがそこに一番近いように感じた。もちろん他の作品もそれぞれに「Pepperでなければ成立しない」要素を持っているのだけど、それを強引にベリベリ剥がして何か別のものに置き換えていこうとしたとき、一番原型を保てないのが「ロボカタミ」さんなように思われる。

結局のところPepperのソリューションってのは、「人がやること」と「スマートデバイスでやること」を混ぜているわけなので、各ソリューションの中でいわゆる「技術的な部分」を切り出してそこを例えばiPadに、物理的身体が必要だったりする部分を切り出して人間に、という置き換えは基本的には出来るっちゃできる…はずなんだけど、「ロボカタミ」さんについては、そこにいる親戚のおばちゃんとかが「亡くなった◯◯さんはねぇ…」とか言いながらラジカセ(…はもうないか)の再生ボタンをポチッとして、という切り出し方をしてみると、それ、なんかもうぜんぜん違うぞ、という感じになっちゃうので、その意味で(実は具体的にはどの部分が「Pepperでなくてはいけない」のか私には言語化できないのだけど)これはやっぱりPepperである必要があるソリューションなんだなぁと感心した次第。

 

全く逆の方向性で、「なぜそれをPepperにwww」というのの代表選手が「バーテンダー for Pepper」さんなんだけど、こちらについては、実現できたことのぶっ飛び具合が尋常でないので、「え、それ人間が注げばよくね?」というツッコミを絶対に許さないだけの迫力と説得力がすごかった。

自分自身としては、Pepperの客寄せパンダとしての役目は終りを迎えつつある(…ので、今回のPepper Worldでもそうであるように「ちゃんとしたお仕事」が出来なくてはいけないフェーズに来ている)という認識だったのだけど、「バーテンダー for Pepper」さんくらいのビジュアル的なインパクトがあると、まだまだパンダとしても全然やっていけるぞ、という気はした。うん。本当に。

 

自律走行するPepper

これもビジュアル的なインパクト大きい…と思ってたけど、どうも設置場所がいまいちわかりにくかったようで、気付いてない人も結構痛みたい。残念。

とりあえずはPepper for bizが先行して機能を搭載する…ということなのか、コンシューマ版には落ちてこないのかよくわからないけど、できれば無印Pepperでもこの機能使えるように成るといいなぁ。

 

 

 

つーことで

なんだか App Challenge みていたら、何かやりたくてしかたない気持ちになってしまったので、次回は是非頑張って時間作って応募するぞと誓ってみる。

自分で好きにいじくり回していいPepperも来たことなので、週末ごとにそりゃもう好き放題あんなことしたりこんなことしたりで弄くり回しまくって、お前を俺色にっ俺色にどっぷりと染めてやろうかあああっっっ!!!

 

…はっ。

取り乱しました

 

 

 

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