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【25季01節】サンフレッチェ広島戦(ホーム)

いやー悔しい。昨季3位の町田が昨季2位の広島さんをホームに迎えての開幕戦、残念ながら1-2での黒星スタートとなりました。

目次

守備面

前半は本当に良かったのではないでしょうか。戦前から重要になりそうなポイントとして挙げられていた広島の右サイド(町田から見た左サイド)からの広島の攻撃については、クロスの出どころをきっちりケアしてほとんどの場面で封じ込めることに成功していた印象。

昌子のクオリティの高さはもちろんのこと、WBの中山、CB左の菊池流帆がめちゃくちゃ良くて、中山が出どころを制限し、菊池が跳ね返すというパターンがきっちりハマっていたし、CB右の岡村大八も広島の新戦力であるジャーメインを丁寧にケアできていたし、ほぼ完璧と言って良い出来だったと思ってます。

前半20分で岡村大八が膝?のトラブルで負傷交代し、ドレシェビッチがスクランブル発進。ただここは交代で入ったドレシェビッチがそこまでの岡村大八のタスクをきれいに引き継ぐ形で守備システムに与えた影響は小さそう。

後半53分、今度は菊池流帆がハムストリング?のトラブルで負傷交代。3バックを維持するため、WBの中山をCBの右に組み込んで、WBに林幸多郎がIN。これは守備システムに与えた影響が大きかったように思われます。選手としての良し悪しではなく特性が中山と林ではかなり毛色が異なっておりこの交代で広島右サイドからの攻略が活性化したように見えます。

ぶっちゃけ、1試合でCBが2枚負傷交代というのは、そりゃまぁ絶対に起こらないことではないけれどもそうそう起きることでもない不幸なアクシデントであって、その意味で、今節の後半をみて今季の町田の守備がどうのこうのということを言えるようなものではないと思います。もうただひたすらに、岡村大八と菊池流帆の怪我が少しでも軽いものであり、少しでも早くチームに戻ってこれることを祈るのみ。

…ということを前提としつつ、他にどんな手が打てたか(そのほうがベターだったかどうかは判断保留するとして)という観点では、例えばCBに昌子とイボ、左SBに中山、右SBにヘンリーという形の4バックに変えるという手もあったかもしれない。そうすると一列前が左から、相馬、前、白崎、林の4枚、前線がオセフンと西村、みたいな感じか。まぁでも広島の右サイドを止めるのはいずれにしても厳しかったかもなぁ…。

前、白崎のボランチコンビはかなり良かった印象。てか前本当にすごい。なんかどこにでもいる。ほんとに一人しかいなかった?何人か出てなかった?

失点シーンを振り返る

1点目の失点シーンはこちら。後半59分、広島の15番中野選手のサイド突破を止めに行った林がファール、その位置から18番菅選手のFK、昌子が弾き返すもペナルティアークのあたりで51番加藤選手がヘディングで競り勝ってゴール前にボールが飛び、そこにいち早く反応した30番トルガイ選手に押し込まれた形。トルガイ選手についてたのは相馬で、体重のかけ方(相馬は多分ボールに詰めるために前に行こうとしてた)でボールへの反応が若干遅くなったところで立ち位置を入れ替えられたように見えてます。相馬が相当悔しがってたのが印象的。

2点目の失点シーンはこちら。後半77分、林から戻したボールに対する中山のトラップが大きくなったところを9番ジャーメイン選手にプレッシャーをかけられ、中途半端な位置に出したパスを15番中野選手に奪われて中央に出され、それを受けて正面から9番ジャーメイン選手にミドルを打たれ、谷が止めるも前方にこぼしたボールを、町田の右サイド側で浮いていた39番中村選手に押し込まれた形。

15番中野選手にボールが渡った時点では39番中村選手はボールより後ろの位置にいたけれどそこから前方に猛ダッシュして来てました。多分イボが一瞬ちらっと見て反応してるけれど、ゴール前3対3になった状況で、ボールを受けたジャーメイン選手に意識が向き、中村選手を背中に回してしまった形。イボとジャーメイン選手の間の距離は結構あったのでイボはジャーメイン選手にプレッシャーを掛けようとするが詰められず、ミドルを打つジャーメイン選手に斜め後方から止めに行ったのは(多分)仙頭。プレッシャーをかけようと前方に出かけていたイボは、打たれた瞬間に後方に戻ろうとする意図は見せているが結果的にはそのまま前方に駆け抜けてしまい、中村選手に対するマークが浮いてしまってました。中村選手に対しては中山が横からスライディングで止めようとしていたけれども届かず決められてしまった形。

攻撃面

こちらも前半はよかった印象。全体的に押し込められてはいたものの、相馬の技ありシュートが決まって先制。率直な印象として「これが本当の相馬か!!!」と思わせるような個のクオリティを遺憾なく発揮した感じ。昨季終盤に調子を上げてきてたときでもまだまだ本調子ではなかったのだなぁと改めて感じました。

得点シーンを振り返ると、広島のスローインをイボがヘディングで前方に跳ね返し、24番東選手に頭で戻されるも、白崎(多分)がもう一度頭で跳ね返してセンターサークル付近で相馬にわたる。自陣ゴール側に少し移動しながらボールを受けた相馬は加速しながら14番田中選手(多分)を回り込むように前を向き、プレッシャーを掛けてくるDF3枚を振り切りながらゴール前に突進、ニアかなと思わせておいてファー側に流し込む技ありシュートが決まった。この、後ろ向きにボールを受けたところから加速して前に回り込んだ動きが流石で、一歩目で少しボールが離れてしまったようにも見えるけれど広島DF陣のプレッシャーをうまく避けながら前進できてました。

今季は「困ったときのオセフン頼み」からの脱却が一つテーマかなと思っているのだけど、今日に関して言うと前半ではその片鱗を感じさせつつも、後半は昨季以前からの大きな進歩が見られなかったというのが正直なところ。

オセフンについては僕はかなり好きな選手で、やっぱりあの高さはとても大きな武器だし意外と足元もうまいし、というところはすごく期待できるのだけれども、いかんせんその良さが発揮しきれない試合があるというところは否定しがたい。

良さが発揮できないパターンは2つあって、1つは相手の「戦術としてオセフンを封じ込めるプラン」にハマってしまったとき。もう1つは主審のジャッジとの相性の悪さがあるとき。今日に関しては完全に後者だったなと思います。

本人のフィジカルの強さがJリーグの枠組みから逸脱している側面があり、主審によってはオセフンの競り合いが片っ端からファールになるケースが有る。後でもう一度DAZN見直してみるけど、ぶっちゃけ何がファールだったのかわからないシーンは多々あった印象。特に後半は(主審のジェスチャからすると)ホールディングを取られているケースが多かったように思われるけど、少なからず「これがどうしてホールディング?」と思うような取られ方が続いたタイミングがあり、本人もフラストレーションが溜まって、主審に詰め寄って(かなりラフに)そのあたりを確認していたようだけど、結局この部分は改善に至らないまま交代を迎えました。

諸々賛否はあると思うけれども、オセフンの競り合いがファール取られがち問題は昨日今日に始まったことではなく、以前からの課題でもあった認識。で、それが起きたときどうするのかが今季は問われていると思うのだけど、今日の試合からはその解決への道筋はちょっと見えなかったです。前半はそれをどうにかしようという雰囲気が見えていたのだけど、同点に追いつかれたり、逆転されたりという心理状況でなかなか新しいことを試す状況になかったかもですね…。

ジャッジの傾向が自チームに対して不利、というシチュエーションで、それをピッチ上で異議申し立てしたり試合終了後にやいのやいの言っても、少なくとも「その試合中に事態が改善すること」はかなり望み薄なので、だとしたらそのシチュエーションを正面からきちんと受け止めたうえで「この試合中にどうやって改善するか」を考えるほうが建設的だろうと思ってます。

このことについては逆側の視点(広島DF)から指摘されているツイートがあって、僕はもう首もげるほど同意です。ジャッジの傾向はチームにとってはどうやっても(少なくとも試合中には)操作することのできない要素なので、広島DF側から見たら「それをいかに有効に取り込むか」、町田攻撃側から見たら「その影響をいかに小さく出来るか、あるいは回避できるか」は選手個々の能力と同じくらい試合結果に影響を与えると思うんですよね。

「困ったときのワントップ頼み」ができないときどうするか

以下は、サッカーの、特に戦術面については全然詳しくない素人の戯言なのだけれども、「今日の主審とは相性が悪いぞ」となったときにどうすのか、というのはちょっとだけ考えてみました。

「対戦相手の戦術に絡め取られる場合」と「主審との相性が悪い場合」の両方の状況を一言で言うなら「オセフンにうまく収まらない」だと思うのだけど、このとき、「収まらない」状況に対して取りうる手段はいくつかあると思います。

そのままオセフンで行き、同じ位置・役割でやり方を変える

オセフン自身の技術や適応力による打開。例えば審判にファールを取られないような競り方にするとか、ガッツリついているマークをノーファールで躱すとか。これが出来るのがベストだけど、それがそんなに簡単じゃないから課題なわけで、最終的な到達地点としては残しつつも、即効性のある打ち手ではなさそう。

そのままオセフンで行き、立ち位置や役割を変える

オセフン本人の立ち位置や役割、あるいは周りの立ち位置や役割を変えることでの打開。例えば「オセフンに当ててセカンドボールを回収して前進」という今の役割ではなく、ボールはサイドで前進させ、オセフンが中で待ち受ける形にするとか。個人的にはまずこれを試すのが良いんじゃないかなぁと思ってます。交代枠を消費せずピッチの中だけで完結するし。

オセフンは相手ゴールに背を向けて競り合ってポストになるという役割も確かに担えるし、実際町田ではその使い方で成果を出しているのだけど、個人的には彼は自分よりもゴール側にあるボールに対して、身体を投げ出すヘディングだったり、裏抜け的な動きをするのも結構向いているんじゃないかと思ってます。なので、前者の役割を期待してスタメン起用したうえで、それが何らかの理由でうまくいかなかったときの選択肢として後者の役割はアリじゃないかなぁ。

誰かと交代し、オセフンの役割を引き継がせる

すごく端的に言うとデュークとの交代。これは一定の効果は期待できる(特に競り合いでのファール絡み)。ただ、相手チームが戦術として「長身のワントップのポストプレイ」を消すような動きをしてるときだと、交代枠は一つ消費したけど事態は対して改善しないという結果になる可能性も高い。今日みたいに主審との相性が悪そうなときの選択肢にはなるけど根本的な打開ではないかも。

誰かと交代し、違う役割を担わせる

例えば交代選手として、裏抜けするFWへの配球に優れたタイプを2列目に置いて3-4-2-1から3-5-2にする、とか。つまり「ポストに当ててセカンドボールを回収して前進」ではないやり方に変えるパターン。これもアリかなーと思ってる。というか、25シーズンの「困ったときのワントップ頼み」からの脱却ってそういうことだと思ってます。「ワントップ頼み」が現状では一番練度が高いのは間違いないし、戦略の一つとして全然悪くないので切り捨てる必要はないのだけど、それがうまくいかないときの「次の手」はこういう方向性なんじゃないかなぁ。

個人的にはイボの配球センスだったり、ダイゴの気の利き様だったりがこういうときの交代としては効果的な気がするけど、まぁ今日に関してはイボをそんなに前に持ってくるわけには行かないしダイゴはベンチにいないし…という状況なので仕方ない。

翻って今日の交代について

今日に関して言うと、予定外のCBの交代が続いたことで、戦略的な交代が事実上1回しかできなかった、というのはもちろんその通りなので、その交代が効果的だったかどうかということは一旦棚上げしてもいいと思うのだけど、77分の交代は白崎→仙頭、相馬→ナサンホ、オセフン→藤尾、という感じだと思うので、大きく役割と戦術を変える、というよりは、疲労を踏まえた交代という側面が強かったように感じました。

率直な感想としては、うまくいっているときは疲労した選手に代えて、同じような役割を期待する選手を入れるのはアリというか、そりゃまぁうまくいってるんだからそのままで行くのが正しいと思うのだけど、今日のようにこちらのやりたいことが塞がっている膠着状態の場合に、同じ役割を期待する選手を入れても同じように塞がっちゃうんじゃないかなぁという気がします。

ただ今日は何度も書くけど3回の交代のうち2回を負傷交代で使っちゃってるのと、裏抜けがうまい(そしてやりたがっている)西村が77分時点で相当な距離を走っちゃっているので、あの時点での交代だとやむ無しかな…とは思います。黒田さんも広島のスキッベ監督も言ってたように今日については交代がうまくいかないのはまぁ仕方ない。次節以降に期待する感じですねー。

次節以降に向けて

そんなわけで、今の時点では今日負傷交代した岡村大八と菊池流帆の怪我が少しでも軽く、少しでも早く戦列復帰することをひたすらに祈っています。

次節の対戦相手であるFC東京さんは、昨季町田にシーズンダブルやられているので、相当な思いで臨んでくるはず。それこそ我々のワントップ戦術に対する対策もバッチリしてくると思うので、何かしら攻撃に関しても工夫が必要になってくることでしょう。

今日の相馬のゴールは非常に素晴らしかったですが、ある意味では「個のクオリティ」でもぎ取ったものであって、チームとして再現性のある得点パターンを作れていたわけではない認識です。それこそ23シーズンの「高身長ワントップに当ててセカンドボール回収」のような、再現性のある型を今年は構築していけたらなーと期待しています。

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