コロナで大変だった昨シーズンをなんとか19位で乗り切り、ようやく迎えた2021シーズンの開幕戦。ホーム野津田に迎える対戦相手は昨シーズン7位のモンテディオ山形さん。
天気は快晴で気温14度。陽があたるところはポカポカしてましたが風が結構強くて風が吹くと少し肌寒い感じでした。
山形さんとのここ5年間の対戦成績は以下のような感じ。ここ数年は引き分けが多く、個人的にもあんまり得意でない印象です。
町田 | 山形 | 勝敗 | ||
2020第38節 | A | 2 | 3 | 敗 |
2020第03節 | H | 0 | 0 | 分 |
2019第42節 | A | 2 | 1 | 勝 |
2019第03節 | H | 0 | 3 | 敗 |
2018第36節 | H | 0 | 0 | 分 |
2018第04節 | A | 2 | 2 | 分 |
2017第33節 | H | 0 | 0 | 分 |
2017第21節 | A | 3 | 1 | 勝 |
2016第22節 | H | 2 | 1 | 勝 |
2016第07節 | A | 1 | 0 | 勝 |
スタメン
フォーメーションは安定の4-4-2。スタメンは、GKが福井、CBが右に深津、左に水本。SBが右に酒井、左に奥山、ボランチの右が高江、左が佐野。SHの右が吉尾、左が岡田、という基本的に昨シーズンを踏襲した感じで、前線が右に平戸、左に新加入の長谷川アーリアジャスールというツートップ。ここは去年だとマソビッチとかステファンとかがいたポジション。
ベンチにはGK茂木秀、DFに森下、高橋、青木、MFのデュークカルロス、FWの太田、中島。
戦況タイムライン
現地でよくわからなかったところもあったのでDAZNで見直しつつまとめてみました。
0分〜15分
お互いに探るようなテンションで試合開始。何度か攻めこまれたり攻め込んだりするけど決定的なシーンはあまりない。
10分に左サイド奥山が岡田とのワンツーを絡めて前に抜け出し、ペナルティエリアちょっと手前の中央にいた長谷川につなぎ、そこから追い越し気味に前に出た平戸に落とすパターンでチャンス演出。右サイドにこぼれたところを吉尾が拾って高江に下げたところからミドルシュートを放つもゴール左へ。最初の惜しいシーンになった。
12分には奥山が左サイドで奪い取ったところから中央の長谷川につなぎ、長谷川がちょっと山形の守備ににひっかかるも奪い直して右サイドの酒井に渡し、一度高江に戻してから吉尾とのパス交換からチャンスを作りかけたが最終的には山形の守備の網に引っかかる。このあともワンタッチでパスをつないで攻略の糸口を探るが山形の守備が固い。
13分には奥山と佐野のコンビに長谷川が絡んだところから奥山が左サイドを突破し奥山のクロスがゴールラインにクリアされてCKを得るが得点には結びつかず。
15分〜30分
16分、高江が中央で拾ったところから右に展開して酒井、ワンタッチでペナルティエリアの深いところにクロスを入れるがそのまま流れる。
19分、山形のCK。吉尾に対して山形のファールがありピンチにはつながらず。
21分、中央で奪ったところから佐野に渡り右に展開。受けた吉尾が中央の平戸にグラウンダーの縦パス。平戸から右の長谷川に渡って少しタメてから追い越してきた吉尾に渡して吉尾がマイナス角度のグラウンダーのクロス。これは残念ながら平戸に合わず。
22分、山形のクロスが町田ゴール前を横切るがピンチにはつながらず。これを中央左寄りで長谷川が拾ったところから平戸にうまくつなぎ、平戸が左サイドを回り込みながら前進するも山形のファールで止められる。山形にイエローカードが出たところで飲水タイム。
この時点でのボール支配率は町田44%、山形56%とほぼほぼ互角。シュートは町田の1本(10分高江)のみ。CKはお互いに1本ずつ。
飲水タイム明けは平戸のCKから。深津の頭に合わせるがこれはオフサイドとなる。
30分〜45分
30分、中央でセカンドボールを拾った佐野から左の岡田にパスがつながる。岡田は中央にドリブルで切り込み長谷川とのワンツーからチャンスを作りかけるがこれも山形の守備に引っかかる。
31分には右サイドから中に入ってきた吉尾からペナルティエリア奥にいた奥山にクロスが上がるがこれは合わず。
32分、スローインからのつなぎで右サイドを突破されてチャンスを作られるが奥山が防ぎ切ってCKに逃げる。山形のCKからシュートを放たれるが町田DF勢が身体を投げ出して守り切る。
35分、中盤で受けた高江から右サイド奥に長いパス。これを裏に抜けた吉尾が受けて中央に詰めてきた岡田に渡して正面から岡田がシュート。これは山形DFに当たって防がれる。
37分、スローインから高江、吉尾、長谷川と早いパス交換を経由して下がり気味の位置をとった吉尾からペナルティエリア手前左の岡田にサイドチェンジ。岡田がドリブルで中央に切り込み右足で思い切りよく巻き気味のシュート。これが惜しくもゴール右に逸れる。前半最大のチャンス。
このあと、中盤でボールを奪ったり奪われたりで拮抗したまま前半を終わる。
45分〜60分
後半に入るところでの選手交代は町田、山形共になし。
47分、町田右からのCKを獲得。ショートコーナーから平戸に戻そうとするが平戸がオフサイドポジションだったためスルーして不発。
55分過ぎまで一進一退。中盤でのボールの奪い合いが続く。お互いに攻めようとしているが相手の守備に引っかかる展開。
55分、山形のFKをいったん町田のDFが弾き返したこぼれ球を拾った山形が右からアーリークロス。これをクリアしようとした流れでちょっと足をもつれさせた格好の水本に当たり、不運な形でのオウンゴールとなる。町田失点。
直後、ペナルティエリア手前左側での細かなパス交換から岡田がシュートを放つも山形DFがクリアして町田が3つ目のCK獲得するも山形の守備に阻まれる。
60分まで再び一進一退。山形攻撃陣がペナルティエリア内に切り込んでシュートを放つシーンもあるが町田守備陣がよく守っている。
60分〜75分
61分、長谷川アーリアジャスールを下げて甲府から新加入の太田を投入。
63分、相手と競った際に酒井が頭どうしを当ててしまい「ふらつく」とのこと。
66分、山形が左からのCK。こぼれ球を強引に打たれるがDF陣が身体を張って止める。
67分飲水タイム。この時点でボール支配率は町田46%山形54%で互角。シュートは町田5本、山形1本。コーナーキックは共に3本。
69分、平戸が中央を持ち上がり左サイドの太田へ。太田が強引に打っていくが山形DFに当たる。
70分、平戸が倒されてFK獲得。CBとGKの間にボールを落とすもうまく味方に合わない。
73分、町田が中島と今シーズンから新加入のデュークカルロスを投入。先ほど頭を打った右SB酒井と右SHが下がる。奥山が左SBから右SBにまわりこの位置にデュークカルロス。吉尾の位置に太田が入り、一番前に中島、という形(ただし試合終盤ということもありこのあたりの構成はかなり流動的)。
75分〜90分
76分まで再度一進一退の攻防となる。
77分、右サイドで下がって受けた中島がうまく入れ替わり、前を走る太田につなぐ。太田から平戸へのクロスはいったん山形DFに当たるが再び拾った太田から中島>岡田>高江とつないでペナルティエリアの外左側のデュークカルロスにつなぐ。デュークカルロスから鋭いクロスが入るが山形DFに阻まれる。
78分、左サイドを突破してクロスをあげられ、ペナルティエリアほぼ正面からのシュートを許すが枠の上に外れる。
79分、右サイドを抜け出した太田からマイナス角度でグラウンダーのクロスが入るが阻まれる。こぼれ球を右寄りの位置で高江が拾ってファールを受けたところで山形の選手と若干やりあう。
80分、高江が受けたファールで得たFKを平戸が蹴る。これもGKと最終ラインの間を狙うがGKにキャッチされる。
82分くらいから、CBの二人が少しワイドに開き、高江がそこに落ちてきたり福井が前に出てきたりという形でやや3バック気味の動きをする。その分、SB、特に左SBのデュークカルロスがかなり前目のポジションで攻撃参加を見せる。
84分、中盤でこぼれ球を拾った平戸から前を走る中島に縦パスが入る。これを中島がキープするのを二人で囲んで取ろうとした山形DFにファールがあり80分とほぼ同じ位置からのFKを得る。
85分、平戸のFKは先ほどと同じような軌跡を描いて最終ラインとGKの間に落ちてバウンド。ここに走り込んでいた深津がダイビングヘッドで押し込み、3年ぶりのゴールで同点とする。
86分、スローインからのクロスが山形の選手に当たってゴールラインを割りCK獲得。ファーポストの微妙なラインにボールを落とすが味方には合わず。
87分、中央で高江、平戸とつないだところから右を走る中島にパスが通る。中央を走る太田にパスを送ろうとするがトラップ が大きくなり山形DFに回収される。
88分、右サイドで奥山がボール奪取して太田からクロスをあげようとするが阻まれる。直後、こぼれ球を再度右サイドで回収した奥山から平戸、高江を経由して左サイドに回し、デュークカルロスから岡田に縦パスを入れるがこれはつながらず。
89分、山形が3枚替えした直後、左サイドからのスローインから高江、平戸と繋ごうとしたところでPA内で平戸が手をかけて倒されるがファールの判定はなし。平戸が珍しく感情をあらわにして怒る。
90分、ATは5分。右サイドを突破した奥山から平戸に繋がりシュートを放とうとするが倒される。このこぼれ球を岡田が拾い、後ろから来た高江に渡してシュートを放つが山形DFに当たりCKを得るがチャンスにはつながらない。
91分、CKのこぼれ球から山形のカウンターになるが不発。
92分、浮き玉の競り合いの中で中島の顔に山形の選手の腕が入りFK獲得するがチャンスにはつながらず。
94分、激しいボールの奪い合いを経て左からあげられたクロスを頭で合わせられてあわやというシーン。福井がしっかりとセーブ。
94分、左サイドに大きく展開されたボールを岡田が受けたところで山形選手と交錯するがファールの判定なし。直後のスローインから中央を大きく縦に運ぶパスを通され、山形の鋭いミドルシュートが飛ぶが福井がナイスセーブしたところでタイムアップ。結果は1-1のドロー。
戦評
結果を見れば先制されてから追い付いてのドローゲームでした。ただ、試合を通して山形の選手に自由にやらせていない時間帯が多く、失点シーンも不運な形でのオウンゴール(ただし昨シーズンのことを考えると「不運な形」だからといって楽観しているわけにもいかないけど)だったこともあり、決定的に危なかったシーンは終盤間際の2本くらいだった印象です。逆にいうと、終盤の2本を止めた福井には大感謝。
攻撃面では、FWを本職としてボールの受け手になってくれるような鄭大世だったりドゥドゥだったりが出れていないことから、抜け出すタイプの中島、太田あたりと、そこにパスを供給することでチャンスを広げられそうな長谷川、平戸をどう組み合わせて前線を作っていくかがひとまずの課題なように感じました。みていた感じとしては、平戸と長谷川を同時に出すのではなく、平戸と太田、長谷川と中島、みたいな組み合わせで前2枚を構成して縦位置に置くほうが面白いんじゃないかなぁとは思いました。平戸と中島という組み合わせではないのは単に去年と一味変えてみたほうが面白いかな、という趣味の問題ですが。岡田くんはかなりアグレッシブにやれていて今シーズンすごく期待できる感じでした。
守備はかなり良くやれていた印象です。特に奥山がものすごくいい働きをしていて、がんがんボール獲るわ攻撃参加するわで大活躍。今シーズンも残ってくれて本当にありがたい限り。今日は交代した前線の選手がよく動いていてくれたこともあって、昨シーズンの課題だった「前が追い回せなくなると守備が破綻する」というシーンはほとんどなく、きちんと機能していたように感じました。たまたま観戦していた場所が後半のデュークカルロスをよく見れる位置だったんですが、いい選手だなぁと感じました。シーズン前のインタビューとかでも答えていた「自分の持ち味は前への推進力」という言葉の現実味を感じさせる積極性が見えて好印象。一方で、ちょっと前に出過ぎる部分もあって、そのあたりは奥山パイセンの動きを盗みながら吸収していって欲しいなぁと感じます。
優勝候補の一角とみなされている山形さん相手にいい守備ができたことは今シーズンのこれからを考える上で好材料だと思われます。それ以上に今節の収穫として、選手もサポーターも「先制されたら負けるかも」という昨シーズンの嫌なジンクスを初戦でひっくり返せたことだと感じています。これを繰り返していければ、相手からも「あいつらからは先制点さえ取れば勝てる」と軽んじられることもなくなるでしょうし(それって相手からはある意味すごく作戦が立てやすいと思うし)、選手も「仮に先制されたって追いつける、追い越せる」という自信がつくことはモチベーション上大きな意味を持つと思います。僕らサポーターとしてもそういう想いで試合を見れるようになると失点したあとにお通夜モード(正直今日失点された後の現地は若干意気消沈しているように感じました)にならず、選手をガンガン後押ししていけると思うんですよね。とにかく、モチベーションを下げるようなジンクスを初戦で取っ払えたのは、得た勝ち点以上に価値があると思っています。
次節以降に向けての課題としては、やっぱりまだ戦術に対する練度が低いかなぁという気はしました。細かいところでのパス交換、うまくいっているところではうまくいっているんだけど、最後の最後、ラストパスの精度が…というのは昨シーズンから引き続いての課題。得点力不足解消のためにいい選手を引っ張ってこれているんですが、彼らとて自分のところに届かないボールをゴールにつなげることはできないわけなので、「ラストパスを成功させる」ことがまず必要なんじゃないかと思います。
次節は土曜日アウェイで名門の磐田さん。鄭大世の合流はあるのか。前線の構成はどうなるのか。楽しみでいっぱいです。来週も良い週末になりますように!
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