世の中でテレワークが一気に加速する直前の2020年の2月くらいから、半ば自主的に(あとから会社の制度が整備されてきた)在宅勤務中心の生活になっているので、自宅のデスク周りをオシゴト仕様に少しずつ変えています。
一番最初に導入したのはLGのウルトラワイドモニターで、これはもう手放せない。てか、最近は出社もOKなんだけど会社にある普通のワイドモニターで仕事するのが効率悪くて、モニターのために在宅勤務してるといっても過言でないレベル。
で、このちょっとあとに導入したのが今回ご紹介するGT Racing社製のゲーミングチェア、GT901です。
もともと使っていたのはニトリのチェアでこれも随分気に入って長く使ってたんですが、流石に10年近く座ってると座面のウレタン部分が完全にヘタっててゴツゴツした板の部分が坐骨に当たって痛くってこりゃまずいな、ということで新しいチェアを探し始めました。
GT Racingさんはゲーミングチェアの業界の中では比較的後発となるメーカーですが、そのラインナップのコストパフォーマンスの良さからAmazonでのベストセラーになったりしています。
ちょっとわかりにくいラインナップ構成
ラインナップが若干複雑で、特にWebでのレビューとかを見るとすでに廃番になったものとかもあるようでちょっと混乱したのですが、2021年5月時点でのラインナップを概観すると以下のようになるようです。
GT002シリーズ
PROシリーズという名前だけど別にフラッグシップモデルなわけではなくむしろ一番シンプルなモデル。Amazonでは差し色のバリエーションで若干価格差があるけどシリーズ間では最も安価で20000円弱くらい。
GT901シリーズ
公式サイトではフットレストシリーズという名前になっているとおり、座面の前部分にオットマン(足を伸ばせるパーツ)がついているモデル。多分だけど座面とかの基本パーツはGT002と共通なんじゃないかな。こちらも差し色のバリエーションで若干価格差があるけど概ね25000円を切るくらい。
GT890シリーズ
ラインナップ上一番わかりにくいモデル(笑)。背もたれ部分にBluetoothのスピーカーが付いているのが特徴。これも恐らくだけど座面部分は他モデルと共通のように見える。GT002とGT901がオットマン機能の有無で型番を分けているのに対し、GT890シリーズはどうやらオットマンがついたモデルとついていないモデルの両方が含まれ、Bluetoothスピーカーがついているという点が共通している模様。これもカラーリングで若干差があるけどオットマンなしのモデルが20000円弱くらい、オットマンありのモデルが30000円弱くらい。
ラインナップまとめ
ということで若干わかりにくいけれど、以下のような感じです。すごくざっくりいうと、「GT002シリーズを基本として、オットマン機能をつけると5000円くらいUP、Bluetoothスピーカーを付けると5000円くらいUP」と考えて良さそうです。
GT002シリーズ | GT901シリーズ | GT890シリーズ オットマンなし | GT890シリーズ オットマンあり | |
---|---|---|---|---|
価格帯 | 17800円 から 19800円 | 23800円 | 19800円 | 24800円 から 27800円 |
オットマン機能 | なし | あり | なし | あり |
Bluetoothスピーカー | なし | なし | あり | あり |
僕は足を伸ばしたいという希望がある一方で、スピーカーは既存のでいいや、と感じていたので、GT901を購入しました。個人的にはオットマン機能は強くおすすめしたいです。
基本機能紹介
では、各シリーズ間で共通と思われる部分についてご紹介します。僕が使っているのがGT901なので、ひょっとするとGT002やGT890では違うかもしれません(写真レベルで確認してはいますが)。
リクライニング機能
多分、PCチェアとしてゲーミングチェアが候補に上がるような人はここが一番気に入っているんではないかと思います。少なくとも僕はそうでした。
多くのゲーミングチェアは、仮眠を取ることを想定して180度近くまで背もたれ部分が倒れます。GT901の場合、公称で165度倒れるとのことです。これ、ものすごく良い。リクライニングするときは、ちょうど自動車のそれとおなじ感覚でチェアの横にあるレバーを引くと倒せます。完全に自由な角度になるわけではなくて、今試してみたら15段階くらいある感じですが、あんまり中途半端なところで止めることはなさそうです。僕の場合、普段は一番前傾させた状態にしてます。この状態だとちょうど背もたれが地面に対して直角くらいの感じで、以前使っていたチェアよりも少し角度的には前傾気味なんですがこれがいい感じで、キーボードで入力しているときなんかにいい具合に背中のラインに沿って背もたれが当たる感じです。少しリラックスしたいときとかビデオ会議のときなんかは2段くらい後ろに倒すと10度くらいうしろに傾くらいで体感的にはタクシーの後部座席くらいの角度になって力を抜くことができます。コーヒー飲むときなんかもこのくらいの角度にしてます。で休憩のときには全部後ろに倒してほぼフラットな状態にする感じ。
テレワークしていると、打ち合わせのスキマ時間ができたりとか、ちょっと集中して考えたい時があったりすると思うんですが、そんなときに僕は昔からゴロンと横になっていろいろ考えたいタイプです。ただ、寝室まで戻ってベッドに入っちゃうとうっかりすると寝過ごしちゃう危険があるので、なるべくなら自室で完結させたいところ。
で、この種のチェアの場合、背もたれがガバっと倒れるのでほぼベッド状態になります。仮眠を取るほどではなくても、ずっと同じ姿勢でいて「うーん」と思いっきり背筋を伸ばしたくなったときにも、背もたれが盛大に倒れるのはとてもいいです。後述するアンバーサポートもいい感じに腰に効きます。僕はついでにダイソーで旅行用のネックピローを買ってデスクの近くに置いといていつでもちょっと体を休められるようにしてます。これホント集中力継続できます。
オットマン
リクライニング機能とあわせて僕はこの種のチェアを買うなら必須の機能だと思ってます。ちょっと体を休めるぞ、というときに膝から下が伸ばせると休憩の効率めっちゃ上がります。以前は足元に入れてるゴミ箱に足を乗っけてみたりしてたんですが、そうするとアキレス腱のところが痛くなっちゃったりしてイマイチでした。オットマンに足を乗っけるようにしてから休憩のとき、身体をまっすぐに伸ばせるのですごくいい感じです。
使わないときは折りたたんで座面の裏側に収納しておけます。これ、購入前は「普通にチェアとして使ってるときに膝裏に当たって邪魔なんじゃないか」と懸念してたんですがすごくいい具合にチェアの全面から少しだけ下がった位置に格納されてて膝に当たることはなく、全然気になりませんでした。
ロッキングチェア
背もたれだけが後ろに倒れるリクライニングとは異なり、座面と背もたれの角度は保ったままで後ろにゆらゆらできる機能…なんですが、僕は全然使ってないです。あんまり使いどころがよくわからない。伸びをするときとかに使うのかなぁ。僕はその手のときはリクライニングしちゃうのでピンときてない状態です。
肘掛け
肘掛け横のボタンを押すことで肘掛けの高さを5センチ位の幅の中で上下させることができます。かつて存在したモデルでは横方向に回転するものもあったみたいですが今はなさそう。僕は一番上にして使っていて特に横方向の回転が必要と思ったことはないです。というか、キーボードを使う高さまで肘を上げたときにはどう頑張っても肘掛けと肘の間が10センチくらい離れちゃうので、仕事中に肘掛けを使うときってのはビデオ会議のときとか考え事をするときくらいです。
肘掛けが不要、という場合には肘掛けをつけずに使用することも可能です。組み立ての過程で肘掛けを取り付けるところを省いちゃえば問題なさそう。
余談ですがマウスを持つ右手については肘掛けでは支えられないので、別途デスク側の方にこんな感じのアームレストをつけているので、疲れてくるとこっちに腕を乗せています。
さらに脱線になりますが、マウスとキーボードの前にはそれぞれこんな感じのリストレストを置いていて手首はここに乗せています。キーボード用は長めのもの。マウス用は13センチのものを使ってます。
デスク面がガラスなのでずっと手首をつけていると冬なんかは冷えて痛くなるのですが、リストレストの力は偉大です。すっごく楽になる。このリストレストは裏がツルツルになっていてガラス面につけるとくっつきます。なのでずれたりとかはないです。あ、チェアの話だった。脱線してるので戻します。
心配してたこと
買う前に心配していたのは主に「それまで使っていたチェアをどうするか」「組み立て大変なんじゃないか」「そもそも普通のオフィスワーク用にゲーミングチェアどうなんだろう」ということでした。結論から言うとそれぞれ問題なしでした。
それまで使っていたチェアをどうするか
ある意味一番大変だったのがこれ。座面と背もたれがかなりガッツリ固められていたことと、高さ調整のガスシリンダーとキャスターの付いたパーツのところが長年の使用で外れなくなっちゃっていて、そのまま粗大ゴミに出すとすると階段を使って外まで持っていかなきゃいけないのでだいぶしんどい…ということで、これを買ってみました。
こいつで背もたれ(金属のパイプが枠になっててその間にメッシュが張ってある)のパイプ枠を40センチずつくらいに分解して、通常の燃えないごみとして出そうという計画だったんですがこれがビンゴ。パイプの厚み(直径ではなくて金属の厚み)が3ミリほどのパイプだったんですが、ピラニア鋸はそのセールストーク通り金属にもかなりいい感じに噛んでくれてサクサク切れました。1箇所切るのに5分くらいかな。ついでに他の場所もこれで切って全部燃えないゴミとして捨てることができました。やったー。
組み立て大変なんじゃないか
これも当初は心配してたんですが、Amazonのレビューとかで確認する感じでは「びっくりするほど重くてでかい荷物が届くけど組み立てはなんとか一人でもできる」という印象だったのでまぁ大丈夫でしょ、と思ってました。
実際、本当にびっくりするほど重くてでかい荷物が届いたんですが一度1階で荷解きして、パーツごと2階に持っていって組み立てる、という流れで、前述の古いチェアの解体もあわせて2時間ほどで組み上がりました。添付の説明書も親切なのと、ボルト類に予備がついているところが好印象。
一人で組み立てる場合、多分一番大変なのは座面と背もたれを接合するところ。僕は背もたれを壁に立てかけるような形にして壁に手伝ってもらいながら作業しました。まぁ組立家具とかぱぱっと作れちゃう人なら特に問題ないんじゃないかな、という感じ。組立家具に自信がない場合は二人がかりで作ったほうが安全かもしれません。
オシゴトとしてのデスクワークにゲーミングチェアはどうなのか
これも実のところあんまり心配してませんでした。ビデオ会議やるときだってたいてい自分の影になってチェアが直接見えるわけじゃないし。ただ、雰囲気的なこともあって一応真っ黒のモデルを購入しました。聞いてみると周りでも在宅勤務用にゲーミングチェア購入した人結構がいて、みんな考えることはおなじねぇとちょっと笑えました。
腰痛への効果はどうか
腰痛持ちってほどではないんですが、やっぱり通勤していた頃に比べると圧倒的にチェアに座っている時間が長くなるので、腰への負担は否めません。
ただ、ゲーミングチェアにしてよかったなと思うのは、前述したように一番前に倒したときに結構直角に近い感じになってくれるので、思った以上に背中への密着感があり、背骨をサポートしてくれる感じがあります。GT901の場合には腰のくぼみに合わせる形のランバーサポートが付属しており、これを適切な位置に当てることで背中への密着感は更に上がります。
もう一つ気をつけているのは、チェアに深く腰掛けるようにすること。僕はもともと足癖がわるくて、すぐあぐらかいちゃうので腰に負担かかりやすいんですが、これはグッと我慢して深く腰掛けると、ランバーサポートがいい位置に当たって、疲れにくい良い姿勢が取れます。
あと、オットマンを引き出すと座ったままの姿勢で脚、特に腿の裏とか膝の裏を伸ばすこともできるので、休憩するとき以外にもたまに気が向くと脚を伸ばすようにしています。これ気持ちいい。
総評
正直、実際に座って試さずにオンラインでチェアを買う、ってのはちょっとドキドキだったんですが、結果的にはすごくいい買い物ができたと思います。ゲーミングチェアとしてはもっと高価なものもあるけど、ゲーミングチェアのランキングなんかを見ると実際に購入しているのは、今回僕が購入したのとだいたいおなじくらいの金額帯のものがよく出ているようなので、コストパフォーマンスで見たらやっぱりこの辺のものがよく売れるだろうなぁという気がします。
在宅勤務になって座る時間が圧倒的に増えたので、前のチェアとおなじように10年間使ったら座面がぺったんこになっちゃうだろうけど5〜6年持ってくれたら良いなぁと思ってます。
とにかくフラットに倒せて休憩ができるのがすごく楽、というのと、背中のサポートをしてくれて腰への負担がだいぶ楽になったことは間違いなく、在宅勤務の相棒として末永く付き合っていきたいと思います。おなじようにチェアを探している方のご参考になれば幸いです。
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