前回久しぶりに書いた記事があちこちでご紹介を頂いてかなり多くの方に読んで頂けたようで本当に嬉しく思ってます。ありがとうございます。
記事を書いた後、鹿児島さんとのホームゲームがあり、スコアレスドローという結果に終わり、その後ゴール裏で掲出された横断幕についてまたいろいろな意見が出ているのでそれについても現場にいた人間としてちょっと書こうかなぁと思っていますが、その前に少し肩の力を抜いて書けるネタとして、「チーム名の選択肢」を考えてみようと思います。
現在のチーム名を、これ以上小さくしたら意味がわからなくなる、というレベルに分解すると以下のようになります。
ここに、今回藤田さんが「マーケティング戦略上追加したい」という「東京」要素を入れて、キーワードとしては4要素になります。なお、「東京」が入ることがマーケティング戦略として本当に勝ち筋につながるかどうかは一度棚上げしておきます。
レギュレーションを見てみる
Jリーグのレギュレーションでは、チーム名については以下のように規定されています。
チーム名および呼称には地域名が含まれているものとする
Jリーグ規約 https://www.jleague.jp/docs/aboutj/regulation/2019/02.pdf
なので、「東京」「町田」のいずれか一方あるいは両方をチーム名に入れる必要があります。
他チームのパターンを見てみる
他のチームはどうなっているのか見てみます。
先程のJリーグ規約の22ページに、2019年シーズンのJ1、J2、J3のチーム名および呼称がリストアップされています。
https://www.jleague.jp/docs/aboutj/regulation/2019/02.pdf
…実はこの記事を書くまで、チーム名と呼称という概念が違うということをちゃんと理解してませんでした。せっかくなので確認してみると、J3の23才以下チーム3つを除く55チームのうち、チーム名と呼称に差異があるのは11チームでした。
チーム名 | 呼称 |
浦和レッドダイヤモンズ | 浦和レッズ |
松本山雅フットボールクラブ | 松本山雅FC |
名古屋グランパスエイト | 名古屋グランパス |
サンフレッチェ広島F.C | サンフレッチェ広島 |
栃木サッカークラブ | 栃木SC |
ジェフユナイテッド市原・千葉 | ジェフユナイテッド千葉 |
東京ヴェルディ1969 | 東京ヴェルディ |
ファジアーノ岡山FC | ファジアーノ岡山 |
ヴァンラーレ八戸フットボールクラブ | ヴァンラーレ八戸 |
福島ユナイテッドフットボールクラブ | 福島ユナイテッドFC |
横浜スポーツ&カルチャークラブ | Y.S.C.C.横浜 |
このうち、フットボールクラブ→FCのような略称系が松本山雅FC、サンフレッチェ広島、栃木SC、ファジアーノ岡山、福島ユナイテッドFCの5つ、グランパスエイト→グランパスのような要素の短縮・削除系が浦和レッズ(単語が変化してるけど)、名古屋グランパス、ジェフユナイテッド千葉、東京ヴェルディ、ヴァンラーレ八戸の5つ、結構盛大に変化させたのはY.S.C.C.横浜1つだけ、というような分布になっています。要素の短縮・削除系はなんとなくゼルビアが今直面しているような問題と同じようなことがあったのかもしれないなぁと想像したりしています。
今回、ゼルビアという名前がどうなるのか、という話は、なんとなくニュアンス的には「呼称」の方なのかなというイメージを持っているので、以下、その前提で考えていきます。
呼称はどんな要素から構成されているか
まず、既存の55チームの呼称がいくつの要素から出来ているかを見てみました。例えば「北海道コンサドーレ札幌」だったら「北海道」「コンサドーレ」「札幌」で3つ、というようなイメージです。
要素数 | チーム数 |
2要素 | 45チーム |
3要素 | 10チーム |
なお、3要素としたのは以下のチームです。区切り方とかおかしいかもしれませんので間違ってたらご指摘ください。
- 北海道コンサドーレ札幌→「北海道」「コンサドーレ」「札幌」
- 横浜Fマリノス→「横浜」「F」「マリノス」
- 松本山雅FC→「松本」「山雅」「FC」
- FC町田ゼルビア→「FC」「町田」「ゼルビア」
- 京都サンガF.C.→「京都」「サンガ」「F.C.」
- レノファ山口FC→「レノファ」「山口」「FC」
- 鹿児島ユナイテッドFC→「鹿児島」「ユナイテッド」「FC」
- いわてグルージャ盛岡→「いわて」「グルージャ」「盛岡」
- 福島ユナイテッドFC→「福島」「ユナイテッド」「FC」
- AC長野パルセイロ→「AC」「長野」「パルセイロ」
こう見てみると、3要素の中にも2パターンあって、いわば冠詞とも言える「FC」や「AC」と地名や愛称から構成されるパターンと、地名や愛称だけから構成されるパターンがありそうです。後者はかなり情報量多くなるイメージがあります。具体的には「北海道コンサドーレ札幌」「横浜Fマリノス」と「いわてグルージャ盛岡」が地名や愛称だけから構成される3要素パターンですね。
更に言うと、現55チームのうち、構成要素が4つというチームはありません。なので、もしゼルビアが「FC町田ゼルビア東京」とかになるとしたら初の4要素チームとなります。
藤田オーナーが「FC町田ゼルビア東京だと長過ぎる」と発言して「北海道コンサドーレ札幌だって同じ長さだ」という反論がTwitterなどでありました。僕もそう思いました。たしかに文字数で見てみると、現55チームで一番長いのが北海道コンサドーレ札幌さんなのは間違いないし、「FC町田ゼルビア東京」は文字数で言うと同等。
なんですが、藤田さんの言う「長過ぎる」は単純な文字数ではなく要素数のことなのかもしれないなぁ、と思っています。実際、4要素、16文字(音節という意味だと12音節)は長いかも、という印象があります。北海道コンサドーレ札幌さんは同じく16文字12音節だけど3要素なのでごちゃついた感じはないのですよね…。一方で「FC」で「町田」にあって、愛称が「ゼルビア」で、「東京」という4要素を持つ「FC町田ゼルビア東京」はやっぱりかなりゴテゴテした印象になってしまいます。
要素数からチーム名を考えてみる
…というあたりのことを考えつつ、新チーム名の候補となりうる4つの要素をどう当てはめていくのが現実的に「あり得る」のかという視点で考えてみたいと思います。
1要素からなるチーム名
4つの要素のうち1つだけを使うパターンは事実上考えなくて良さそうです。上述の通り、Jリーグ規約の中で「チーム名および呼称には地域名が含まれているものとする」との記載があるので、可能性としては「東京」「町田」だけで、ということになりますが流石にこれはチーム名として体をなさないので無視していいでしょう。
2要素からなるチーム名
2要素からなるチーム名としては以下が考えられます(FC町田・町田FCのように順番を置き換えるものは一つとして考えています)。
- FC町田
- FCゼルビア
- FC東京
- 町田ゼルビア
- 町田東京
- ゼルビア東京
「地名を入れる」というJリーグ規約と「東京を入れたい」という方針を考えると、FC町田は東京が入っていない、FCゼルビアは地名も東京も入っていない、FC東京は既に存在する、町田ゼルビアは東京が入っていない、という理由で選外となり、候補として残るのは
- 町田東京
- ゼルビア東京
の2つとなります。
3要素からなるチーム名
以下の4つが考えられます。
- FC町田ゼルビア
- FC町田東京
- FCゼルビア東京
- 町田ゼルビア東京
このうち、「FC町田ゼルビア(=現チーム名)」には東京が入っていないため選外とすると、候補として残るのは
- FC町田東京
- FCゼルビア東京
- 町田ゼルビア東京
になります。
4要素からなるチーム名
以下の1つが考えられます。これは全要素を含んでいるので選外にはなりません。
- FC町田ゼルビア東京
取りうる選択肢
上記のように考えると、チーム名として採用しうる選択肢は今の要素から増えないとしたうえで順序も含めて考えると…と思って実は一度全パターンを書き出してみたのですが、多すぎるので断念しました。順序を無視したら以下のとおりです。
- 町田東京
- ゼルビア東京
- FC町田東京
- FCゼルビア東京
- 町田ゼルビア東京
- FC町田ゼルビア東京
僕は個人的には落とし所として「東京町田ゼルビア」あたりが良いんじゃないかと思うんですが、昨日の試合終了後のゴール裏およびそこで掲出された横断幕なんかを見つつ考えるとそのあたりもどうなるのか…。ゴール裏の話はまた後ほど書こうと思います。
追記
上記の件、書きました。「FC」と「町田」を切り離したくない事情もあるのだろうけど、というところですね…。結果どうなるにせよ、交渉の窓口は常に開いておけると建設的なところに着地できると期待しています。
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