最近ちょこちょこ「で、結局スマートスピーカーはどれを買ったらよさそう?」というご相談を受けることがあるので、まずはその前提となる、スマートスピーカー3機種の概要についてまとめておこうと思います。
実はこの記事を書き始めたときには、自宅にはLINE WAVEとGoogle Home miniがあってAmazon Echo dot は微妙に販売前だったのですが、記事を書いている間に家に届いたので、ガチンコで三つ巴になりました。
用語の整理
この界隈、今若干言葉の定義がわかりにくくなってますので、最初にここを整理しておきたいと思います。
スマートスピーカーを構成する要素
スマートスピーカー(ここがそもそもこの呼び方に統一されるのか微妙なんですが)に関係する概念をまとめると以下のようになります(概ねロボスタさん主催の勉強会の受け売りw)。
パーツ | 名前 |
ハードウェア部分 | スマートスピーカー |
ソフトウェア部分 | 音声アシスタント |
それぞれのお名前
メーカー | S/Wの名称 | H/Wのシリーズ名 | H/Wラインナップ | 国内発売日 |
LINE | Clova | WAVE | WAVE | 2017/10/05 |
Googleアシスタント | Google Home | Google Home Google Home mini (2色) |
2017/10/06 | |
Amazon | Alexa | Echo | Echo dot (2色) Echo (3色) Echo Plus (3色) |
2017/11/15 |
たまに誤解されているケースが有るのですが、WAVEとかGoogle HomeとかEchoは、ブツの名前になります。これに対してClovaとかAlexaの部分が「中の人」の名前です。なので、呼びかけるときは「中の人の名前」で呼ぶことになります。Googleは流石に「ねえ、Googleアシスタント」と呼びかけるのもアレなので、「Google」が中の人の名前ということになっています。なお、WAVEとEchoの中の人には別名をつけることが可能です。
それぞれの特徴
LINE WAVE
概要・ラインナップ
WAVEはメッセンジャーアプリの覇者、LINEのハードウェアプロダクトです。ハードウェアとしてのラインナップは一種類のみで、サイズや色の展開はありません。
お値段は後述するLINE MUSICの1年間利用権込みで12,800円。
サイズが大きいこともあり、スピーカーとしての性能は割といい感じ。ただし、スマートスピーカーとしての機能込みのお値段ですから、同じ金額のスピーカーと比べたら見劣りするのはやむを得ないかと。
本体側面をネイビーの生地が包んでいてデザイン的にはかなり落ち着いた印象でなかなかいいのですが、この部分にホコリがつくと非常に目立ちます。にも関わらずとてもホコリが付きやすい素材のようで、気がつくとだいたいどこかが白っぽくなっちゃっています。
電源を供給するケーブルも同じように布のような手触りとなっており、全体として高品質な方向性に持っていきたいという強い意志を感じます。
特徴
最大の特徴はメッセンジャーアプリとして圧倒的なシェアを持つLINEとの連携機能があること。LINEアカウントの考え方がちょっと独特なのですが、1台のWAVEに対して、「LINEアカウントを持つ1台のスマートフォン」が紐付きます。スマートフォン上のアプリでWAVEの設定が可能ですが、1台のWAVEに対して複数台のスマートフォンを紐付けることはできないようです。
音楽関連機能
音楽聴き放題サービスであるLINE MUSICと連携することも特徴としてあげられます。上記の「WAVEと紐付いたLINEアカウント」にLINE MUSICの契約があるとそれを使う形になります。2018年1月末までは「期間限定特別価格」として、12ヶ月分のLINE MUSIC使用権とのセット販売をしています。
現在のファームウェアでは、連携しているスマートフォンから、いま演奏している曲やプレイリストの情報を表示したり、次の曲に移動したりすることができます。LINE MUSICそのものの操作性には遠く及ばないというのが正直な感想ですが、当初は今の曲名すらわからない状態だったので明らかに進化しているのも事実です。
便利な機能
LINEの読上げ機能があることと、家電を赤外線でコントロールする機能があることはWAVEの大きな特徴です。
ちょっと変わった機能としては、じゃんけんとあっちむいてホイがあります。じゃんけんは、「Clova、じゃんけんやろう!」というと反応してくれます。画面表示機能のないスマートスピーカーでどうやってじゃんけんするのかというと、タイミングに合わせてこちらが先に手を出しておき、あとからClovaが「私は◯◯を出しました」と申告してくれるという仕組みです。あっちむいてホイも同様です。ただし、あっち向いてホイは、「じゃんけんをする→勝ったほうが顔の方向を予測し、負けたほうが顔の向きを変える」という仕組みではなく、前半のじゃんけん部分が省略された形になります。つまり、Clovaが常に顔の向きを予測し、人間側が顔の向きを変えることになります。
アプリによる拡張
2017/11/16 時点では、LINE WAVEのアプリをサードパーティが開発する機能は開放されていません。
Google Home mini
概要・ラインナップ
Google Homeは言わずと知れた検索エンジン最大手のGoogleが販売するスマートスピーカーです。ラインナップは、フルサイズのGoogle Home(上の画像)と、直径10センチほどで高さ3センチほどの大きなマカロンのような形をしたGoogle Home mini(下の画像)の2サイズ展開です。
カラー展開という観点でいうと、Google Home(大きい方)はグレーの1色展開ですが、本体下部が取り替え可能になっていて、このパーツ(別売り)が4色展開しています。
Google Home miniは本体自体が3色展開しています。
私が購入したのは、Google Home miniのグレー(上の画像の中央のモデル)なので、以下、それを前提にレビューします。
お値段はGoogle Home miniで6,480円、Google Homeで15,120円です。
自宅にあるGoogle Home miniに関して言えば、スピーカーとしてのサイズが小さいので、そんなにいい音がする、というわけではありません。ただ、音量はそれなりにしっかりしているので、Google Home miniからの返答が聞き取りにくかったりとかはありません。
本体上部が粗く織った布地で覆われており、デザイン上ほとんどこの部分しか見えないようになっています。下半分は樹脂、底面はゴムっぽい素材になっています。デザイン的には非常に可愛い作りになっていて、リビングに置いた時のフィット感は一番良さそうです。
電源ケーブルは柔らかくしなやかですが、いわゆる普通の電源ケーブルの範疇を超えるものではありません。本体が可愛い割に電源部分はさほどでもないというアンバランスさは感じます。
特徴
Androidスマートフォンで鍛え上げられたGoogle アシスタントはかなりできが良く、特に日本語の聞き取り性能は非常に良いように感じられました。語順や表現の揺れに対しても強く、「やりたいこと」を自然に言葉にすれば大抵の事を聞き取ってもらえる感覚です。
もちろん、聞き取れたからといってそれが全て実現できるとは限らないのですが、「それは今はまだできません」という微妙な表現をするものがあるので、恐らく、実装の予定があるものについてはキーワードの聞き分けだけが動いている状態なのではないかと思われます。
LINE WAVEとは異なり、一つのGoogle Homeに複数のGoogleアカウントを紐付けることができます。また、Google Homeは音声を聞き分けるので、例えば私とヨメの人のアカウントをそれぞれGoogle Homeに登録しておいたとすると、私が「ねぇGoogle、明日のスケジュールを教えて?」と声をかけたときと、ヨメの人が同じ内容を問いかけたときでは異なるスケジュールを読み上げるそうです。これはまだ実験できていないので後日試してみますが、非常に良い機能だと思っています。
音楽関連機能
Google Homeは連携する音楽サービスとして、Google Play MusicとSpotifyのどちらかを選択できます。Google Play Musicは基本的に利用料を支払わないと使えませんが、Spotifyは利用料を支払わなくても利用可能です。
ただ、特に邦楽を聴く前提で言うとSpotifyの使い勝手はいいとはいえません。聞き取った音声とのマッチング精度に難があるようで、聴きたいアーティストの名前をいうと「たしかにそう聞こえる可能性はあるかもしれないけど違う」アーティストが大喜利のように出てきます。
便利な機能
Googleアシスタントなので、イメージとしては、Googleの検索フィールドで使える機能は試してみる価値がある感じです。
例えば、「◯◯の株価は?」と聞けば「昨日の終値は◯◯円です」と教えてくれますし、「◯ヘクタールは何平方キロメートル?」のような単位換算系、「◯◯駅から◯◯駅への行き方」のような乗換案内もいけます。これはかなり便利で、ちょっとした計算くらいであれば、アプリを立ち上げるよりも聞いちゃったほうが早い、という感覚になってきます。
アプリによる拡張
後述するAlexaほどではありませんが、Google Homeもスキルによる機能拡張が可能で、実際に多くのスキルが実装されています。
気になるのは、スキルの中で喋る日本語の品質が、Googleアシスタント本人の日本語の品質に比べてかなり低い点です。ここは、後日動画を撮って見ようと思っています。
Amazon Alexa
概要・ラインナップ
この3機種の中では満を持して最後に登場したEchoはAmazonのスマートスピーカーです。ハードウェアとしてのラインナップは、サイズが3展開。
一番小さなEcho dot。黒と白の二色展開で定価5,980円。11/17までならプライム会員限定で2,000円引きなので3,980円になります。
ラインナップ名そのものを冠したメインストリームの Echo。サンドストーン/チャコール/ヘザーグレイの3色展開。定価は11,980円。プライム会員なら11/17までのリクエストで4,000円引きになるので7,980円になります。
現状の日本国内のラインナップでは最上位モデルとなる Echo Plus。ブラック/ホワイト/シルバーの3色展開。定価は17,980円となっています。
いなばが購入したのは一番小さな Echo dot。サイズ的にはGoogle Home miniとほぼ同等。
デザイン的にはかなり缶詰っぽい印象。ぶっちゃけ、単体で可愛いかといえば微妙なんだけど、かぶせて使うカバーがたくさんサードパーティから出ているあたりがAmazonらしいところ。
特徴
最も際立つ特徴は、発売時期を他のスマートスピーカーより遅らせてでも、スキル(アプリみたいなもんだと思って下さい)の充実を図ってから市場投入したところ。ユーザの作ったスキルもありますが、上記の話は各企業の公式スキルの充実度の話になります。
家で使ってみた感じとしては、Amazon Music Unlimitedとの相性がものすごいのですがこれは次の項目として書きます。
音楽関連機能
音楽聴き放題サービスのAmazon Music Unlimitedと併せて使うことを事実上前提としているように思います。我が家の場合には、家族それぞれのスマートフォンでも聞き放題にしたいのでファミリープランを検討中ですが、Echoからだけしか使わないのであれば恐ろしく安価なプランも準備されています。
アーティスト名だけ言うとそのアーティストの作品をシャッフルで再生するあたりもうまいのですが、聞き取り性能と、アーティスト名/曲名とのマッチング精度が非常に高くていい感じです。
便利な機能
実際の決済までは行っていないのですが、音声で買い物ができるのはEchoの大きな特徴です。
アプリによる拡張
ここがEchoの最大の特徴になりそうです。現時点ではスキルの数が最も豊富なスマートスピーカープラットフォームと言って間違いないです。
まとめ
ひとまず、自宅に揃った3機種の概要でした。週末にでも3台並べて比較してみようとおもいます!\(^o^)/
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